数学を学んでいくBlog

勉強の記録をつけていきます。興味のある分野は数理論理学です。

論理と集合から始める数学の基礎(第1回)

今日から新しい本を読んでいく。

 

ぼんてん氏から紹介していただいた「論理と集合から始める数学の基礎」(著: 嘉田勝)

 

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数学の基礎に関する入門書とのこと。

まだ読み始めたばかりだが、非常に丁寧に説明されているのが印象的。

とりわけ私のように数学に馴染みがなく独学で学んでいこうとする人間にとって、新しい概念を学ぶ際には困難が伴いがちである。

そうした時に、本書のように"言葉で"詳しく概念を説明されてあるととても助かる。

記念すべき一冊目でもあるから、丁寧に読んでいきたいと思う。

 

 

今日は第1章『集合(その1)』を読んだ。

 

疑問が残ったのは、p8〜9で説明されている対称差について。

 

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最後の式変形がわからない。

 

ベン図を描いて成り立つことは確認できたが、これは厳密な証明ではない。

日を改めて考え直す必要がある。

 

(追記)

集合・位相入門(松坂)p303より

ド・モルガンの法則と分配則を用いる。

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(追記終)

 

 

次回は第2章『命題計算』から。

「数学ガイダンス2016」読んでみた

kamo_hiroyasu氏より紹介頂いた「数学ガイダンス2016」を読んでみた.

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表紙にも書かれているように,

 

1,イントロダクション大学数学

2,新入生のための数学ビギナーズ・ガイド

3,就職ガイダンス

 

の3つが主たる内容となっている.

 

個人的に印象に残ったのは,3人の数学研究者による「大学数学の学び方」,竹山美宏氏の「数学書の読み方」である.

大学新入生を対象に書かれたモノだが,数学をこれから学んでいこうという私のような人間にとっても大変有益な事柄が多く,目から鱗だった.

 

 

また,河東泰之氏による「セミナーの準備はここまでしておきたい!」には次のような記述がある.

 

"1回の発表のために50時間くらいかかるのは,何も不思議ではないし,100時間かかっても驚きはしません."

 

これには大変共感した.

私は大学4年の研究室配属までゼミを行ったことはなかったが,指導教員の方針もあってこのゼミがとても大変で厳しいモノだった.

自分の発表前1週間などは,ほぼ毎日ゼミの発表のために費やされた.自分なりに完璧なモノを準備していくのだが,毎回のようにほとんどが否定された.

とりわけ同期の前で厳しい指摘を受けるというのは辛く恥ずかしいことでもあり,特に最初の頃は涙目になったり無気力になったり大変だった.

 

ゼミを通し苦しみながら得た経験,知識というものは得難いモノだと断言できる.

学問の前では安っぽい見栄やプライドは何の役にも立たない.

また「最後まで妥協しない心」も重要.

こうしたものを一挙に学べるのがゼミだろう.

 

 

ここら辺を語っていくとキリがない.

私の学生生活もいろいろと思いだされた「濃厚な一冊」だったと言える.

 

 

さて,次回以降は嘉田勝氏の「論理と集合から始める数学の基礎」を読んでいく予定.

ぼんてん氏のレビューによると,集合論と数理論理学について書かれたモノではあるが,教科書という位置づけではなく,"数学と情報科学の学生におしなべて必要な素養"について書かれた本とのことである.

入門書として最適ではないかと思われる.

 

まずはこの本をじっくりと読んでいきたい.

 

集合論(第2回)

しばらく間が空いてしまった.

 

一応第1章(A) 集合は一通り勉強したが,復習がてら最初からやり直すことにした.

案の定つまづいたポイントがあった.

 

 

前々回の記事で書いた,

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である.

 

F田さんの助言でわかったみたいなことが書いてあるが,まったく理解していなかったと言える.

 

そこでもう一度自分で考え直すことにした.

cとかAとか書いてあるのが分かりづらい.

よって自然数の集合Nを考える.

 

まず,N={1, 2, 3, …}.

次に,Nの要素からいくつかをとって集合を考える(Xとする).

 

X={1, 3, 5, 7, 9}

Xの要素は当然ながらNの要素でもある.

 

すなわち x∈X(x: Xの要素) ⇒ x∈N.

よってX⊂N.

 

ということで良いのではないかと考えている.

どうだろうか.

 

 

幼稚な話かもしれないが,こういう思考の足跡を残しておくというのがこのブログの骨子である.

 

 

(追記)

また間違えました.

 

F田さんより

 

Aを自然数Nの集合,cを1としてみる.

 

N={1,2,3,…}より1∈N,

1のみを要素とする集合X(={1})を考えるとX⊂N.

 

 

なるほど.

結局1∈X⇒1∈N より X⊂Nを使っているのか?

そこが気になる.

(追記の追記)

使っている.

今回は要素が一個だが,すべての要素について成り立つということが必要条件.

(追記の追記終)

 

 

んで{1}は要素にないので(1≠{1})XはNの要素でない,と.

 (追記終)

 

勉強の方針

現在勉強させていただいているおなじみの理系インデックス,その学問の構造より.

 

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現在集合論を勉強しているが,この構造におけるスタート地点であることがわかる.

私が今年勉強していた理論物理学,とりわけ場の量子論相対性理論は図の右下に位置している.

その先に素粒子論がある.

周辺を数理物理学と考えることができよう.

 

対して,数理論理学(数学基礎論)や公理的集合論,これらは図の右上に位置しているが,他の分野と独立している.

 

現在の私の勉強目的は「数理論理学と数理物理学の理解」である.

本線としては数理物理学に至る道(図で集合論から始まり,右下へ向かうルート)を勉強し,合間に数理論理学を勉強するということになる.

 

 

現在は勉強を始めたばかりでモチベーションは高い.

だがこれから理解に対する難易度は上がっていくだろうし,続けることに困難を感じることも増えていくだろう.

そうした時に,この道筋,すなわち今の勉強が目標となるモノへの一地点であるという認識をもつことができれば,モチベーションを回復させる一助になり得る.

 

 

将棋棋士羽生善治は「情熱を持ち続けることが才能.だがそれはとても難しい」と述べている.

継続は力となるが,いかに情熱を持ち継続していくか.それが重要ということだ.

 

私も頑張っていきたいと思う.

 

 

集合論(第1回)

集合論インデックス[第*章論理記号(読み方)~第1章の集合演算まで]

 

 

最初なのでまだそれほど難しくない.

一点つまづいたところがあった.

 

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1行目→2行目

ベン図を書けば自明なのだが,それでいいのかという疑問.

よく考えると分配則を適用しただけだった.

授業でブール演算の勉強をしていた時も同じような疑問を感じた記憶がある.

 

果たして,サイト内には『ベン図は証明ではない』と書いてあって納得.

先ほどの式変形は分配則を公理とし,その上で行われたモノである,ということ.

初歩的なことだが勉強になった.

 

 

あと,

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について.

 

下はcが要素,{c}が集合を表すのでそれぞれの意味は異なるということ.

これはわかるが上がよくわからない.

 

cが要素ならc∈Aは「cは集合Aの要素である」となるが,

{c}が集合なら{c}⊂Aは「集合cは集合Aの要素である」となるのではないか.

それなら後者は集合を元にもつ集合ということで,前者と同じとは言えないのではないか.

 

この話は後の議論にはあまり関係がないのでそれほど気にする必要はない,と書いてはあるが一応気になったのでここに記しておく.

後で見返すとまた違った印象をもつ可能性もある.

 

(追記)

 

F田さんより,

 

{c}⊂A
⇔「集合{c}が集合Aの部分集合である」
⇔「要素cからなる集合{c}が集合Aに含まれている」
⇔c∈A

 

とのこと.

根本的な理解があやふやだったと思われる.

ありがとうございます.

 

 

次回は集合の基本3(集合系、集合族など)から.

 

数学

数学を勉強していきます.

 

とりあえず数学科の人が学部で勉強する内容を中心にやっていこうと思います.

まずは集合論から.

 

数理物理学にも興味があるので,そちらの話題が出る可能性もあります.

将来的な目標は数学,物理学という垣根を越えて,双方の分野を自由に行き来するイメージです.

 

今のところ,理系インデックスというサイトに沿って勉強していく予定です(今後変更する可能性はある).

 

物理,及び物理数学の本は沢山ありますが,純粋に数学と言えそうな本は

 

「集合・位相入門」(松坂和夫)

「コンピュータは数学者になれるのか?-数学基礎論から証明とプログラムの理論へ-」(照井一成)

 

の2冊だけです(後者はちょっと違うか).

 

まぁ必要に応じてこれから揃えていけたら.

気楽にやっていきます.

 

twitter(@ayime_cat)もやっています.こちらは思考の垂れ流しに近い.

ブログは勉強の記録の意味合いが強いです.

 

それではよろしくお願いします.